外国人を雇用するための手続きや注意点を徹底解説

2020年07月19日
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厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」によれば、外国人労働者数は、1,658,804人を記録しており、前年同期と比較すると13.6%増加しています(令和元年10月末現在)。[注1]

このように、多くの企業が労働力確保をはじめとした目的で外国人労働者の雇用を進めています。

ですが、外国人労働者を受け入れるうえでは、いくつかの手続きを踏む必要があります。たとえば、入管法で定められた活動以外の業務に携わってしまうと、不法就労助長罪として、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

そこで今回は、外国人労働者を雇用する際に覚えておきたい手続きをご紹介いたします。

[注1]「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09109.html

 


外国人労働者を雇用するための手続き方法


外国人労働者を雇用する際は、就労ビザ取得が可能か、母国語もしくは英語での契約書が作成できるかという、各手続きを踏んでいく必要があります。


海外から受け入れる場合は就労ビザが取得できるかを確認

海外から外国人労働者を受け入れる場合は、日本で働くために必要な就労ビザが取得できるか、選考の段階で確認しておきましょう。

就労ビザは入管法によって、教授、芸術、高度専門職のように19に分かれており、それぞれのビザを取得するためには、職種に関連する学歴、職歴が求められます。そのため、卒業証明書、成績証明書、職歴を記した書類といったように、経歴が明確になっている書類を用意しておく必要があります。

また、すでに日本に在留している外国人を採用する場合であっても、就労ビザを保有していないケースがあるので、就労ビザ取得に必要な書類を揃えておきましょう。

就労ビザを保有している場合は、自社の業務と該当のビザが合致しているかに加え、就労ビザの更新日を確認してください。


雇用契約書は母国語・英語で用意する

面接を終え、内定を出したら雇用契約書を作成して、契約を結びましょう。
この際、雇用契約書は採用する外国人労働者の母国語か英語で作成することで、不要なトラブルを避けられます。

なお、厚生労働省では「外国人労働者向けモデル 労働条件通知書」という英語の労働通知書を用意しています。[注2]

このような書類を活用して、外国人労働者とのトラブルを避けましょう。

[注2]外国人労働者向けモデル 労働条件通知書
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040325-4.pdf


就労ビザを入国管理局へ申請する

外国人労働者が就労ビザを保有していない場合、入国管理局へビザを申請します。就労ビザ申請にはまず、採用する企業が在留資格認定証明書を入国管理局で発行申請します。そしてその証明書を外国人労働者に渡し、本人が現地の日本大使館にてビザ申請をします。

なお、在留資格証明書発行から3ヶ月以内に入国する必要があるので、スムーズに進めていきましょう。

一方、外国人が日本に在留していて、就労ビザをもっている場合は、入国管理局で就労資格証明書交付申請の手続きを行いましょう。この申請を行なうことで、採用予定の外国人が持っているビザで就労できるか確認できます。


外国人労働者を受け入れたらハローワークに届け出る

 

 

外国人労働者のビザがおりて雇用となった場合、企業はハローワークに届け出る必要があります。

これは雇用対策法第28条にて定められています。この届けは、ハローワークに足を運んで提出するのはもちろん、インターネットサービスにて提出可能です。

なお、届け出をしない、虚偽の届け出をしなかった場合、30万円以下の罰金が設けられているので注意しましょう。


被保険者の届け出

外国人労働者であっても、条件を満たせば雇用保険に加入できます。被保険者である外国人労働者の雇用状況届け出は、日本人が雇用保険に入る際と同じ書類を用意します。

届け出に記載する内容

  • 労働者の氏名(正式名称)
  • 在留資格
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍(地域)
  • 資格外活動許可の有無
  • 就労する事業所名・所在地

なお、提出期限が雇用保険加入日の翌月10日までと定められているため、早めに届け出を完了させておきましょう。


雇用保険未加入者の届け出

外国人労働者を受け入れても、該当の労働者が雇用保険の対象とならない場合、「外国人雇用状況届出書」という書類を提出する必要があります。

届け出に記載する内容

  • 労働者の氏名(正式名称)
  • 在留資格
  • 在留期間
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍や地域
  • 資格外活動許可の有無
  • 雇入れ日(離職)の年月日
  • 就労する事業所名・所在地


退職する際にもハローワークへの届け出は必要

雇用保険に加入している外国人労働者が退職、あるいは雇用保険から抜ける場合も、ハローワークに届け出る必要があります。

この場合は、日本人労働者と同様に「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出してください。

 


外国人を雇用する際に覚えておきたい入管法の罰則

外国人を雇用する際は、入管法に関して理解しておきましょう。

入管法は、平成29年1月1日に改正入管法として施行されており、外国人労働者に関しては、

  1. 不法就労助長罪
  2. 在留資格等不正取得罪
  3. 営利目的在留資格等不正取得助長罪

という3つがあります。


不法就労助長罪

不正就労助長罪とは、在留資格が切れた外国人労働者や留学生のように、就労
が認められていない外国人による労働を手助けした行為を指します。
不法就労助長罪を問われた場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。


在留資格等不正取得罪

在留資格等不正取得罪とは、不正な方法で在留資格の認定を受ける・更新する行為を意味します。

この罪に問われてしまうと3年以下の懲役もしくは禁錮、もしくは300万円以下の罰金が科せられます。


営利目的在留資格等不正取得助長罪

営利目的在留資格等不正取得助長罪は、営利目的のために、不正な手段で外国人の在留資格を取得、更新しようとすると、該当します。

この場合も、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

 


外国人労働者を雇用する際は雇用管理に注意する

厚生労働省では、外国人労働者の雇用管理の改善を、指針として発表しています。[注3]

この指針では、

  • 均等待遇
  • 労働条件の明示
  • 賃金の支払い
  • 適正な労働時間の管理等

といった、適正な労働条件の確保はもちろんのこと、

  • 安全衛生教育の実施
  • 労働災害防止のための日本語教育等の実施
  • 労働災害防止に関する標識、掲示等
  • 健康診断の実施等

のように、安全衛生の確保も記されています。

さらには、日本語教育や生活習慣、文化、風習に関する知識を深めるための機会を設けることも求められています。

[注3]外国人雇用はルールを守って適正に
https://www.mhlw.go.jp/content/000515319.pdf

 



まとめ

外国人労働者の雇用で企業に新しい風を

外国人労働者を雇用するためにはいくつかの手続きが必要ですが、決して難しいものではありません。入国管理局に相談すれば、手続きの方法などについても詳しく教えてくれるはずです。

外国人労働者を雇用することで企業にもよい影響が出ることが少なくないので、人材不足に悩んでいる企業の採用担当者の方はぜひ外国人労働者の雇用を検討してみるのはいかがでしょうか。

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