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2020年 05月 25日 OTHER

外国人採用後の教育を円滑に進めるための必須事項

日本国内の多くの企業は人材不足を補うために外国人労働者を積極的に採用しています。外国人労働者が企業にとって貴重な存在になりつつあるなか、課題となっているのが外国人を採用した後の教育方法です。

外国人労働者が働きやすく、スムーズにビジネスシーンに対応できるようにするための教育方法について見ていきましょう。


外国人採用後の教育方法

日本人であれ外国人であれ、採用後は研修などを通して社員を教育しなければなりません。しかし当然外国人は別の文化で生まれ育っているので、日本人に対する教育と同じ方法ではあまりうまくいかないでしょう。

やらなければならない事とやってはいけない事は、とくに分かりやすく教える必要があります。そのために必要なのは理解しやすい日本語を用いた、具体的かつシンプルな指示です。

たとえば「なるべく早くやってください」という指示は、外国人にとっては具体的ではなく理解しにくい指示となります。「明日の朝10時までに終わらせてください」という指示の方が明確で、やるべき事がはっきりするので、外国人採用後に社員を教育する場合にはこうした指示をするように心がけましょう。

さらにミスをしっかりフォローしてあげる事も重要です。研修中の外国人労働者であれば、ミスをするのは無理もない事です。ミスの原因を説明し、どうすれば同じミスを繰り返さずに済むのかを丁寧に教えれば徐々に生来の能力を発揮していくでしょう。もちろん外国人労働者の離職を防ぐうえでも重要なポイントです。


外国人採用後の教育で注意すること

外国人採用後の教育で注意すべきことを2つ紹介します。


日本人に教育するよりも1.5倍ほどの時間がかかる

日本語による教育や指示をよく理解できないという外国人は少なくありません。一概には言えませんが、日本人の社員に教える1.5倍ほどの時間がかかると考えておいた方がいいでしょう。

日本語のマニュアルも外国人の教育の障がいとなります。日本語のマニュアルには非常に細かな指示まで載せられているので便利ですが、外国人にとってはすべてを読むだけでも一苦労です。すべてを理解した上で業務にあたるのはかなり難しいでしょう。

そのため動画や画像を用いたマニュアルを作成し、それを見てもらうのが非常に有効です。視覚教材を用いれば、外国人が早く仕事を覚えやすくなり、失敗も少なくなります。


定期的な個人面談を行いケアをする必要がある

一定期間の研修ですべてを終わりにするのではなく、定期的な個人面談を行う事も必要です。外国人は転職に対してそれほど抵抗がないため、長く会社で働いてもらうために個人の希望を定期的に確認すると良いでしょう。

現在の仕事量やキャリアパス、職場環境、今後取得したい資格、改善を希望する点などをヒアリングすると、より一層能力を発揮できる環境を整えてあげられるかもしれません。


外国人の文化を知ることの重要性

外国人を雇用した企業が抱えている別の課題があります。それが「生活習慣や文化の違い」です。

たとえば時間にルーズ、会社の備品を持ち帰る、残業をしないなど日本人とは考え方が大きく異なる点が少なくありません。そのため外国人労働者の出身地の文化や背景を知る時間を設ける必要があります。その国の政治的背景や歴史、文化を深く知ると、どのように教育すれば良いのか、なぜそうした行動を取るのかが分かるようになるでしょう。

たとえばヨーロッパ諸国では残業を規制する法律が制定されているため、残業をしない事にしている労働者が少なくありません。こうした点を覚えておけば残業をしてもらうためにはしっかりと日本のルールを説明する必要がある事を理解できます。

さらに東南アジアや南アメリカでは、「任された仕事がうまくいかなくても仕方ない」という考え方がありますが、これも一つの文化です。その国の背景を理解しつつ、少しでも仕事が捗るように努力してもらうよう根気強く教えていく必要があります。

外国人労働者としても、自国の文化を理解しようとしてくれていると感じられれば、より一層仕事に情熱を傾けようと思うはずです。企業の中には外国人労働者の文化を知るための時間を特別に設けているところもあります。相互理解が外国人教育には何よりも重要なのです。


ビジネスマナー講座の必要性

外国人労働者の教育のために利用できる一つの方法がビジネスマナー講座です。ビジネスマナー講座では日本人と外国人労働者が母国との違いを話し合ったり、さまざまなビジネスシーンで役立つ話し方、行動の仕方などを教えたりしています。英語や中国語、韓国語などいくつかの言語で講座が開かれているので、採用した外国人の理解できる言語で受講できるのも大きな特徴です。

自社だけではビジネスマナーのすべてを教えることができないと感じている方は、こうしたビジネスマナー講座を利用して必要なマナーを身に着けてもらうのも良いかもしれません。


外国人の教育を成功させてより大きな利益を得ましょう

外国人労働者は、粘り強くしっかりと教育すれば十分な能力を発揮してくれます。企業を悩ませている人材不足を解消するだけでなく、より大きな利益を企業にもたらす可能性さえあるでしょう。

外国人を雇用して海外進出の足掛かりにすることができるかもしれませんし、日本人社員の刺激になる可能性もあります。会社全体に活気が生まれて、職場環境の改善も見込めるでしょう。

こうした良い連鎖反応を引き起こすためにも、外国人教育の必須事項を意識して教育を進めていく事が重要なのです。