【年金はもらえる?】10年以上在留しない方も必見!外国人向け年金ガイド

人手不足が深刻化する日本では、多くの外国人の流入が今後も見込まれます。今回は外国人の方の年金の支払い、受け取りについて詳しく解説していきます。
外国人の老齢年金の扱いと社会保障制度
日本では、国籍を問わず、日本で暮らすすべての人に年金を払う義務と受け取る権利があります。国民年金は、国籍問わず日本に住所を持つ20歳から60歳までの人が加入する決まりです。
しかしながら、年金を受け取る年齢まで日本に在留予定のない外国人にとっては年金の支払いに納得のいかないこともあるでしょう。そういった方のために帰国する予定の外国人に不利益がないよう、社会保障制度があります。
社会保障協定とは、日本と社会保障協定を締結している国から来日した外国人は、日本で働く期間に応じて日本か母国どちらか一方の年金に加入すれば良いとする制度です。
社会保障協定を締結している国は、中国、インド、フィリピンなど22ヶ国あります。
上記の制度を利用できるのは、母国が日本と社会保障協定を結んでいる外国人です。
社会保障制度の内容
国によって差はありますが、基本的には次の内容で社会保障協定が結ばれます。
保険料の二重負担防止 | 日本に在留する期間が5年未満なら、母国の年金に加入するだけで良い |
日本に在留する期間が5年以上なら、日本の年金に加入するだけで良い | |
年金加入期間の通算 | 母国での年金加入期間を、日本での年金加入期間と通算できる |
日本での年金加入期間を、母国での年金加入期間と通算できる |
10年未満の滞在で日本に住む外国人が年金を受け取る際の注意事項
母国で年金に加入している外国人は、日本で年金に加入すると保険料の二重払いになります。
また、日本で老齢年金を受給するには、保険料を10年以上支払う必要があります。例えば6年で
帰国する外国人は6年分の保険料が掛け捨てになってしまいます。
母国が社会保障協定を締結しているか確認を!
年金の掛け捨てを防ぐために、日本での年金加入期間と母国での年金加入期間を通算して、日本もしくは母国で年金を受給できるように規定されています。
例えば、日本での年金加入期間が10年に満たなくても、母国での年金加入期間が通算して10年以上
になれば、日本の老齢年金を受け取ることができます。
日本と社会保障協定を締結している国については、下記を確認してください。
日本年金機構:https://www.nenkin.go.jp/
この記事を書いた人

日本ビジネス能力認定協会理事 佐々木敦也
アメリカ駐在を経て、1991年にソフトウェア会社を設立。代表取締役として会社を経営する傍ら、外国籍社員の採用・育成を行う中での経験を教材にまとめ、2015年に日本ビジネス能力認定協会を設立した。
著書:『外国人実務能力検定公式テキスト』
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